トルコリラは2018年8月に大暴落し、それ以前と比べてかなりの安値となっています。
また、トルコの中央銀行がトルコリラの下落を受けて、国内のインフレに歯止めをかけるために政策金利を引き上げました。
そのため、現在のトルコリラは下げ止まりからの反動や、金利の高さによるスワップポイントの獲得などで投資対象として大きな注目を集めています。
しかし、トルコリラの運用は本当に儲かる投資なのでしょうか。
ここでは、トルコリラが注目されている理由でもある「スワップポイント」について紹介するとともに、実際にトルコリラを保有しているブロガーたちの動向をまとめ、トルコリラ運用の方法を解説していきたいと思います。
スワップポイントとは
現在、トルコリラは「スワップポイント」狙いの保有に適した通貨の1つとして、注目されています。
では、この「スワップポイント」とは、そもそもなんなのでしょうか。
まずは、「スワップポイント」について解説します。
スワップポイントって何?
スワップポイントは、2つの通貨の間の「金利調整額」のことを意味しています。
FX取引をしていると、異なる種類の通貨を売り買いしますが、この通貨の金利にズレが生じるケースも存在します。
このとき、金利が低い通貨で金利が高い通貨を買っていると、その差分に応じた「スワップポイント」がもらえます。
スワップポイントのメリット・デメリット
【スワップポイントのメリット】
①自動的に利益が得られる
スワップポイントは、通貨をただ保有しているだけで発生します。
売買のような手間がなく、自動でお金がもらえる点はスワップポイントの大きなメリットの1つです。
②毎日付与される
スワップポイントは、通貨を保有していた日数に応じて毎日もらえます。
何日以上、何ヶ月以上のような保有期間の制限がないというのも魅力的ですね。
③少ない自己資金でも大きな利益を得られる
レバレッジをかけることで、資金が少額であったしても多額の通貨を保有することができます。
スワップポイントは、対象となる通貨を持っている量に応じてもらえるので、レバレッジを活用すれば、投資額に対して効率良く利益を上げることができるようになります。
【スワップポイントのデメリット】
①スワップポイントを支払うケースもある
スワップポイントをもらうことができるのは、低金利の通貨で高金利の通貨を買った場合です。
逆に、高金利の通貨で低金利の通貨を買ってしまうと、スワップポイントを払う側に回りますので、気をつけてください。
②ロスカットの危険性
レバレッジをかけて、自分の自己資金以上に大きな投資をしていると含み損の拡大に伴って、ロスカットされるケースもあります。
たとえスワップポイントをもらえていたとしても、保有している通貨が大きく下落してしまっては、損失の方が大きくなることもあります。
注意してください。
③スワップポイントは変動する
スワップポイントは、対象通貨の金利などに応じて日々、変化します。
今日と同じ額のスワップポイントが、明日や1週間後、1か月後も変わらずもらえるとはかぎりません。
もちろん、状況によってはもらえるスワップポイントの額が増えるということもあります。一概にデメリットとは断定できませんが、この仕組みを把握しておくことは重要です。
スワップポイントが高い通貨は?
スワップポイントというのは、2つの通貨の金利の差額に応じてもらえるお金です。
そのため、一般的には金利が高ければ高いほど、スワップポイントがたくさんもらえる通貨ということになります。
ちなみに、スワップポイントが高いオススメの通貨には次のようなものがあります。
①オーストラリアドル
②ニュージーランドドル
③南アフリカランド
④トルコリラ
トルコリラ運用によるスワポ生活
トルコリラを運用している人の多くは、先ほど説明した「スワップポイント」をもらうことで、「スワポ生活」の実現を目指しています。
では、なぜトルコリラの運用は、「スワポ生活」を可能とするのでしょうか。
まずは、トルコリラがスワポ通貨としてオススメできる理由を解説していきたいと思います。
トルコリラは超高金利なスワポ通貨
トルコリラがスワポ通貨として人気の理由は、とても単純なものです。
それは、トルコ中央銀行が設定している「政策金利」が超高金利だからです。
トルコの金利は、24.00%です。
日本の政策金利は2019年2月時点で0.10%です。もし日本円でトルコリラを買うとなると、かなり大きな金利差が生まれることが分かりますね。
様々な国の金利を表にまとめてみたのでご覧ください。
国名/地域名 | 通貨名 | 政策金利 |
日本 | 円 | 0.10% |
アメリカ | ドル | 2.50% |
ヨーロッパ | ユーロ | 0.00% |
中国 | 元 | 4.35% |
メキシコ | ペソ | 8.25% |
南アフリカ | ランド | 6.75% |
トルコ | リラ | 24.00% |
(※この表の各国の金利は2019年2月のものです。)
このように様々な国の金利と比べてみると、トルコリラが超高金利な通貨だということが見て取れます。
金利の高いトルコリラは、スワップポイントもたくさんもらえるため、スワポ通貨として注目を浴びているのです。
トルコリラでスワポ生活
超高金利なトルコリラを保有すれば、毎日かなりのスワップポイントがもらえると考えて、多額のトルコリラを保有している人がたくさんいます。
彼らは、ただトルコリラを保有しているというだけで、スワップポイントがもらえます。
こうした、特に何もしなくても自動的にお金がもらえる夢のような生活は、「スワポ生活」と呼ばれています。
自分が遊んでいても眠っていても、他の仕事をしていても、お金がもらえるなんて憧れの生活ですよね。
自分はあまり資金をもっていないから、トルコリラを保有できる額も限られてしまい、大してスワップポイントがもらえないのでは、と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで、大切なのが、「スプレッドをかける」ということです。
実際にトルコリラで「スワポ生活」を送っている人も、自己資金に数倍のスプレッドをかけることで、少ない自己資金で多額のトルコリラを保有し、スワップポイント収入を生み出しているのです。
もちろんスプレッドをかければ、利益だけでなく損失にも倍率がかかるので、相応のリスクも生じます。
そのため、リスクとリターンのバランスを考えて、程よいスプレッドで投資をするのが大切になってきます。
次の章では、実際にトルコリラを運用しているブロガーの例をみていくことにしましょう。
ブロガーのトルコリラ運用の実態
知識として、トルコリラ運用のメリットとデメリットを理解しても、リアルな運用実績を見てみないと不安は払拭されないという人も多いとことでしょう。
そこで、この章では実際にトルコリラへの投資を行っているブロガーたちの動向から、トルコリラ運用の実態を探っていきたいと思います。
トルコリラで成功した人
まずは、皆さんが目指すべき「トルコリラ運用によって成功した人」の実例から見ていきましょう。
こちらの方はトルコリラだけでなく、メキシコペソやアメリカドルなど、いくつかの通貨を合わせたスワップポイント投資を行っています。
ブログ内で公開している実績よると、2019年2月にはスワップポイント投資だけで、344,839円の利益をあげられているようです。
「スワポ生活」の成功例の1人なので、参考にしてみてください。
こちらのブロガーは、「サヤ取り」という手法でトルコリラを運用しています。
カンタンに説明すると、スワップポイントが高い業者でトルコリラを「買い」、スワップポイントが低い業者で「売る」ことによって、トルコリラの価値の上下に関係なく、スワップポイントの差分を得ようという考え方です。
不足の事態というリスクや手数料などはありますが、計算上は安定的に利益を生むことができる手法だと説明しています。
・FXの初心者がトルコリラに投資してスワップ金利で生活するブログ
こちらのブログを運営している「侑」さんは、2018年8月にトルコリラが大暴落してから、トルコリラ運用を始めた方です。
複利積立運用という手法で、一定の利益を得てはいるものの、ブログ内で今後のトルコリラの動向については、どちらに転ぶか分からないリスクもあると述べています。
トルコリラで失敗した人
次は、「トルコリラ運用によって失敗した人」の例を見ていきましょう。
スワポ通貨としてのトルコリラ保有も投資である以上、リターンだけでなくリスクが存在します。
実際に起こり得るマイナスの事態についても理解しておくことが大切なので、こちらもぜひ参考にしてください。
・20代が個人で資産運用してみるブログ(投資金額が1000万円突破)
こちらのブログを運営している「タクスズキ」さんは、トルコリラのスワップポイント投資を行ったものの、損失が出たため断念しました。
その後は、スワップポイント投資の対象を南アフリカのランドに切り替えて利益を得ているようです。
トルコリラ運用については、ハイリスクとの感想を述べています。
こちらの方は、スワップポイント投資を行うFX業者の選択を間違えてしまったという「失敗談」を語っています。
スプレッドが狭く、使いやすいと言われるある業者を選んだものの、実はその業者は他に比べて「スワップポイントが低い業者」だったのです。
せっかくスワップポイント投資を行うのであれば、「スワップポイントが高い業者」を選びたいですよね。
こちらのブロガーが失敗した、「業者選び」については後ほど解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ブロガー全体の傾向/まとめ
トルコリラは、24.00%という超高金利から、スワップポイント投資を行う対象として大変注目を集めていますが、
FXブログの多くでは、トルコリラをハイリスクハイリターンな通貨と評価していました。
そのため、成功している方は、スワップポイント投資を行う通貨を分散させたり、「サヤ取り」のような工夫した方法を用いたりして、うまく利益を得ているようです。
その反面、トルコリラのリスクを嫌って撤退した人や、業者選びを失敗したなんてブロガーもいました。
また、トルコリラ運用で大きな損失を負った方の多くは、2018年8月のトルコリラの大暴落以前から、トルコリラを保有していた方に多いようです。
今後もさらに下落するという可能性も否定はできませんが、トルコリラが安値をつけている今は、投資を始める良いタイミングなのかもしれませんね。
トルコリラは、今後も下落を続ける可能性というリスクもある一方で、下げ止まり上昇する可能性や高いスワップポイントという大きなメリットが存在する通貨ですので、リスクとリターンのバランスを考えながら、スワップポイント投資を行うことをおすすめします。